Ethernet(イーサネット)

有線LANの標準規格

イーサネットとは

イーサネットは、IEEE 802.3で標準化された有線LANの規格です。 MACアドレスを使用してフレームを送受信し、CSMA/CD(半二重)または全二重通信を行います。 現在のデータセンターでは10Gbps〜100Gbpsが一般的です。

Ethernetフレーム構造

プリアンブル
7B
SFD
1B
宛先MAC
6B
送信元MAC
6B
タイプ/長さ
2B
ペイロード
46-1500B
FCS
4B
MACアドレス:宛先と送信元の物理アドレス(各6バイト)
タイプ/長さ:0x0800=IPv4, 0x86DD=IPv6, 0x8100=VLAN
ペイロード:上位層のデータ(最小46B、パディング追加)
FCS:CRC-32によるエラー検出

MTU(Maximum Transmission Unit)

MTUは1フレームで送信できる最大ペイロードサイズです。 イーサネットの標準MTUは1500バイトですが、ジャンボフレームでは9000バイト以上も可能です。

標準MTU: 1500B

  • • 広く互換性あり
  • • インターネット経由で安全
  • • オーバーヘッドは大きめ

ジャンボフレーム: 9000B

  • • データセンター内で使用
  • • スループット向上
  • • 全経路で対応が必要
1# MTU確認
2ip link show eth0
3
4# MTU設定
5sudo ip link set eth0 mtu 9000
6
7# Path MTU Discovery テスト
8ping -M do -s 8972 192.168.1.1

主なイーサネット規格

規格速度媒体最大距離
1000BASE-T1 GbpsCat5e/Cat6 UTP100m
10GBASE-T10 GbpsCat6a/Cat7100m
10GBASE-SR10 Gbpsマルチモード光300m
10GBASE-LR10 Gbpsシングルモード光10km
25GBASE-SR25 Gbpsマルチモード光100m
100GBASE-SR4100 Gbpsマルチモード光(4芯)100m

オートネゴシエーション

接続時に両端で速度とデュプレックスを自動的に決定する仕組み。 不一致があるとパフォーマンス低下やエラーの原因となります。

全二重(Full Duplex)

同時に送受信可能。衝突なし。現代の標準。

半二重(Half Duplex)

送信か受信のどちらか。CSMA/CD使用。レガシー。

1# リンク状態確認
2ethtool eth0
3
4# 速度/デュプレックス固定(通常は自動推奨)
5sudo ethtool -s eth0 speed 1000 duplex full autoneg off

SRE/インフラ観点

監視項目

  • リンク状態: up/down、速度、デュプレックス
  • エラーカウンタ: CRC errors, collisions, drops
  • 帯域使用率: TX/RX bytes

よくある問題

  • デュプレックスミスマッチ: Late collisions増加
  • MTU不一致: パケットロス、断片化
  • ケーブル不良: CRCエラー増加
1# インターフェース統計
2ip -s link show eth0
3
4# エラー詳細
5ethtool -S eth0 | grep -i error
6
7# NIC情報
8ethtool -i eth0