L2 データリンク層（Data Link Layer）

同一ネットワーク内でのフレーム転送

データリンク層とは

データリンク層（L2）は、隣接するノード間でフレームを転送する役割を担います。 MACアドレスを使用して同一ネットワーク（ブロードキャストドメイン）内の機器を識別し、 エラー検出やフロー制御を行います。

L2フレーム転送の流れ

送信元PC
MAC: AA:BB:CC
→
フレーム生成
ヘッダ + ペイロード
→
L2スイッチ
MACテーブル参照
→
宛先PC
MAC: DD:EE:FF

MACアドレス

MACアドレス（Media Access Control Address）は、ネットワークインターフェースに 割り当てられた48ビット（6バイト）の一意識別子です。

AA:BB:CC:DD:EE:FF
OUI（前半3バイト）
ベンダー識別子
NIC固有（後半3バイト）
デバイス識別子
ユニキャスト

特定の1台へ送信

ブロードキャスト

FF:FF:FF:FF:FF:FF（全員へ）

ARP（Address Resolution Protocol）

ARPはIPアドレスからMACアドレスを解決するプロトコルです。 同一ネットワーク内での通信に必要です。

  1. 1「192.168.1.10のMACアドレスは？」とブロードキャスト送信
  2. 2該当IPを持つホストが自身のMACアドレスを返答
  3. 3ARPテーブルにキャッシュ（一定時間保持）

STP（Spanning Tree Protocol）

L2ネットワークでループが発生するとブロードキャストストームが起き、 ネットワークがダウンします。STPは冗長経路を論理的にブロックしてループを防止します。

ルートブリッジ

ツリーの根、最小ブリッジID

ポート状態

Forwarding / Blocking

収束時間

従来STP: 30-50秒

SRE/インフラ観点

監視項目

  • • MACフラップ: 同一MACが複数ポートで検出（ループの兆候）
  • • ARPテーブルサイズ: 大規模ネットワークでは肥大化に注意
  • • STPトポロジー変更: TCN（Topology Change Notification）の頻度

よくある障害

  • • ブロードキャストストーム → CPU/帯域枯渇
  • • ARPスプーフィング → セキュリティ問題
  • • VLANミスマッチ → 通信不可

トピック詳細

Ethernet

イーサネット

重要

MACアドレス、フレーム構造、CSMA/CD

Switch

L2スイッチ

重要

MACアドレステーブル、VLAN対応

VLAN

仮想LAN

重要

ネットワーク分割、802.1Q