ロードバランサー

トラフィック分散と可用性向上

ロードバランサーとは

ロードバランサーは、複数のサーバーにトラフィックを分散するデバイス/サービスです。負荷分散による性能向上、冗長構成による可用性向上、ヘルスチェックによる障害サーバーの自動除外を実現します。

基本アーキテクチャ

クライアント

↓

ロードバランサー

↙↓↘

Server 1

Server 2

Server 3

L4 vs L7 ロードバランサー

特性	L4 LB	L7 LB
レイヤー	トランスポート層	アプリケーション層
判断基準	IP、ポート	URL、ヘッダー、Cookie等
性能	高速（パケット転送）	やや遅い（コンテンツ解析）
SSL終端	パススルーのみ	可能
コンテンツルーティング	不可	可能
用途	TCP/UDP全般	HTTP/HTTPS

負荷分散アルゴリズム

ラウンドロビン

順番に各サーバーへ振り分け。シンプルで均等。サーバー性能が同じ場合に有効。

重み付きラウンドロビン

サーバーごとに重みを設定。高性能サーバーに多く振り分け。

最小接続数（Least Connections）

アクティブ接続数が最も少ないサーバーへ。長時間接続に有効。

IPハッシュ

クライアントIPのハッシュで振り分け先決定。同じクライアントは同じサーバーへ（スティッキー）。

ヘルスチェック

バックエンドサーバーの状態を定期的に確認し、異常なサーバーを自動的に除外します。

TCP

ポートへの接続確認

HTTP

特定パスへのGET、ステータス確認

カスタム

レスポンスボディのチェック

設定項目: チェック間隔、タイムアウト、失敗閾値、成功閾値

主要なロードバランサー

AWS

• ALB: L7、HTTP/HTTPS、パスベースルーティング
• NLB: L4、超高性能、固定IP
• CLB: 従来型（非推奨）

ソフトウェアLB

• Nginx: リバースプロキシ兼用、設定柔軟
• HAProxy: 高性能、詳細な統計
• Envoy: サービスメッシュ、可観測性

Kubernetes

• Service (LoadBalancer): クラウドLB連携
• Ingress: L7ルーティング
• Gateway API: 次世代Ingress

Nginx ロードバランサー設定

1 # upstream定義
2 upstream backend {
3     # ロードバランシング方式
4     # least_conn;  # 最小接続
5     # ip_hash;     # IPハッシュ
6 
7     server 10.0.0.1:8080 weight=3;
8     server 10.0.0.2:8080 weight=2;
9     server 10.0.0.3:8080 backup;  # バックアップサーバー
10 
11     keepalive 32;  # コネクションプール
12 }
13 
14 server {
15     listen 80;
16     server_name example.com;
17 
18     location / {
19         proxy_pass http://backend;
20         proxy_http_version 1.1;
21         proxy_set_header Host $host;
22         proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
23         proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for;
24 
25         # タイムアウト
26         proxy_connect_timeout 5s;
27         proxy_read_timeout 60s;
28     }
29 
30     # ヘルスチェック（Nginx Plus）
31     # health_check interval=5s fails=3 passes=2;
32 }

ロードバランサー

ロードバランサーとは

基本アーキテクチャ

L4 vs L7 ロードバランサー

負荷分散アルゴリズム

ラウンドロビン

重み付きラウンドロビン

最小接続数（Least Connections）

IPハッシュ

ヘルスチェック

主要なロードバランサー

AWS

ソフトウェアLB

Kubernetes

Nginx ロードバランサー設定

SRE/インフラ観点

監視項目

ベストプラクティス

1	# upstream定義
2	upstream backend {
3	# ロードバランシング方式
4	# least_conn; # 最小接続
5	# ip_hash; # IPハッシュ
6
7	server 10.0.0.1:8080 weight=3;
8	server 10.0.0.2:8080 weight=2;
9	server 10.0.0.3:8080 backup; # バックアップサーバー
10
11	keepalive 32; # コネクションプール
12	}
13
14	server {
15	listen 80;
16	server_name example.com;
17
18	location / {
19	proxy_pass http://backend;
20	proxy_http_version 1.1;
21	proxy_set_header Host $host;
22	proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
23	proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for;
24
25	# タイムアウト
26	proxy_connect_timeout 5s;
27	proxy_read_timeout 60s;
28	}
29
30	# ヘルスチェック（Nginx Plus）
31	# health_check interval=5s fails=3 passes=2;
32	}